~漢方を組み合わせた内科診療~

稲垣内科医院/奈良県奈良市
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漢方処方解説
半夏瀉心湯(はんげしゃしんとう) 半夏瀉心湯






























半夏瀉心湯(はんげしゃしんとう)

①成分(生薬)

 半夏5、黄芩2.5、乾姜2.5、人参2.5、甘草2.5、大棗2.5、黄連1

②目標、適応証

 心窩部(みぞおち)のあたりが痛む、つかえ感がある、吐き気、嘔吐、食欲不振、下痢、口臭、お腹がゴロゴロ鳴る、ゲップが出るなどの症状を目標とし、診察所見としてはみぞおちに圧痛があり、胃内停水、舌に白苔がついていることが多い。 一般的には急性、慢性胃炎、胃酸過多症、胃下垂症、胃潰瘍、十二指腸潰瘍、便秘、下痢、神経衰弱などに用いられることが多い。

③治験例

(一)神経衰弱症
 この患者は神経症で、みぞおちにつかえ感があり、不安感が強く、体格はがっしりしているが、気持ちは至って小さく、疲れやすく、足冷え、不眠症で種々の治療をおこなわれていたが効果がなかった。 腹部は比較的軟弱で、みぞおちに軽度の圧痛があり、胃内停水が認められる。 半夏瀉心湯を与えると、みぞおちのつかえ感がとれ、不安感もなくなり、食欲が出て、よく眠れるようになった。(矢数道明氏、漢方百話より)

(二)胃拡張症(胃炎)
 44歳男性。 生来健康で酒を好み、暴飲暴食を続けていた。 胃を悪くしたので禁酒したが、今度は大の甘党になってしまった。 昨年暮れよりみぞおちに不快感が出現し、胸やけを訴え、夕方になると嘔吐するようになった。 臭いゲップがしきりに出る。 体格は中等度、舌には白苔がついており、みぞおちには圧痛があり石のように固い。 時々腹鳴がある。 半夏瀉心湯加茯苓を与えると、服薬10日にして症状の大半が消失した。 本証は生姜瀉心湯の証であろうが、半夏瀉心湯加茯苓がよく奏功した。(矢数道明氏、漢方と漢薬 3巻1号より)




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