(一)神経衰弱症
この患者は神経症で、みぞおちにつかえ感があり、不安感が強く、体格はがっしりしているが、気持ちは至って小さく、疲れやすく、足冷え、不眠症で種々の治療をおこなわれていたが効果がなかった。 腹部は比較的軟弱で、みぞおちに軽度の圧痛があり、胃内停水が認められる。 半夏瀉心湯を与えると、みぞおちのつかえ感がとれ、不安感もなくなり、食欲が出て、よく眠れるようになった。(矢数道明氏、漢方百話より)
(二)胃拡張症(胃炎)
44歳男性。 生来健康で酒を好み、暴飲暴食を続けていた。 胃を悪くしたので禁酒したが、今度は大の甘党になってしまった。 昨年暮れよりみぞおちに不快感が出現し、胸やけを訴え、夕方になると嘔吐するようになった。 臭いゲップがしきりに出る。 体格は中等度、舌には白苔がついており、みぞおちには圧痛があり石のように固い。 時々腹鳴がある。 半夏瀉心湯加茯苓を与えると、服薬10日にして症状の大半が消失した。 本証は生姜瀉心湯の証であろうが、半夏瀉心湯加茯苓がよく奏功した。(矢数道明氏、漢方と漢薬
3巻1号より) |